EXHIBITION ARCHIVES

2016.10.19 Wednesday

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松尾たいこ

福馬福鳥


2016年11月11日(金)- 23日(水)11:00-19:00


大胆で意外感のある構図とアクリル絵具のクリーミーな筆致が、松尾たいこ氏の絵画世界の最大の持ち味です。グラデーションを排したポップな作法でモチーフに生き生きとした光彩を差し込みつつ、表裏一体の深い闇をもかいま見せる、そんな優れた空想力が比類なき美しさを画面のうえで輝かせます。見るものの心に長く残る豊かな物語性をもって数々の人気作家たちとの共鳴関係をつくりあげ、イラストレーション界を超えた高い評価を集めてきました。


一方で松尾氏は、福井県において越前の伝統技法「千年色あせないといわれる陶彩技法」と出会い、2014年より「千年陶画」プロジェクトをスタート。土の微妙な状態を肌でとらえ、泥絵の具で絵をのせ特殊な釉薬(うわぐすり)をかけるなど、多くの長期工程を経たのち窯で焼き上げられる技法に大きな可能性を感じ、越前町にアトリエを構えてこのシリーズの制作に取り組んでいます。越前の土の持つプリミティブな魅力に、アートとイラストレーションの第一線におけるキャリアで磨き上げられた彼女の美意識が絶妙にカクテルされて、世界的にも稀有な興味深いジャンルが完成しつつあるのです。


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越前焼の器に描いた一点もの


本展は松尾氏にとって、この「千年陶画」シリーズの2年間の創作成果をまとめて披露する機会となります。「福井で作っている」「手にした人の幸福な日常を願う」とのふたつの福を組み入れたタイトルのもと、約25センチの陶板作品や陶器から、素朴な味わいの立体作品、手のひらサイズのダルマなどまで、大小約150点を展示・販売いたします。また、各所で人気を集めている越前の土で作った犬と猫の箸置きなども紹介・販売いたします。


【ギャラリートーク開催】
2016年11月11日(金)18:30〜19:00 入場無料
作品解説=松尾たいこ 聞き手=佐藤尚之(クリエイティブディレクター)



松尾たいこ アーティスト / イラストレーター


広島県生まれ。第16回ザ・チョイス年度賞鈴木成一賞受賞。著作に「空が高かったころ」、江國香織との共著「ふりむく」、角田光代との共著「Presents」「なくしたものたちの国」がある。数多くの書籍装画や広告の他、六本木ヒルズのグッズパッケージなども手がける。2014年より「千年陶画」プロジェクトを開始。2016年「ブータン しあわせに生きるためのヒント」展(上野の森美術館)のアートディレクションを担当した。東京、軽井沢、福井の3か所を拠点に活動中。


http://taikomatsuo.jimdo.com/


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2016.10.03 Monday

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北澤平祐

あまりにも軽い私は


2016年10月28日(金)- 11月9日(水)11:00-19:00


中間色のふんわり甘いトーンを活かした独特のイラスト表現で知られる、北澤平祐氏。手元でゆるやかにためらうような細やかなドローイングに、ふんわりと萌え出るように発色するカラーインクの色づかいがハーモナイズされるのが、その絵の最大の特徴です。丸みを帯びた猫のような面立ちの女性が多く登場し、モチーフの眼すべてに保たれる妖精のごときピュアネスが印象的で、この世とは別次元の桃源郷にたゆたう人々の伝説を語りかけるよう。どの絵にも、背骨となる理想、詳細に設定された物語性とペンを進めながら展開していった北澤氏のユーモアが盛り込まれており、「絵を読む」愉しみを味わわせてくれます。


一度見たら忘れ難いほど比類のない彼の画風は、国内外のデザイナーやプロダクションで高く評価されており、多くの著名作家たちの書籍装画を担当。様々な広告や商品でイラストを手がける他、今秋から洋菓子メーカー「フランセ」のパッケージやVIで絵を担当していることでも話題を集めています。


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ワンピースとタイツ


本展は、北澤氏にとって1年ぶりの個展です。ひとりの少女を主人公に、「その軽い言動に起因する報いと救い」をめぐる物語を構想し、奇想天外に展開してゆく各場面を、抜き出したセル画のように描き下ろした新作シリーズで構成されます。時空を超えた寓話的なテーマ設定は彼のシリーズの最大の楽しさでもありますが、本展ではより進化した境地を披露。部屋に飾りたくなる小品から、思わず絵の世界に引き込まれそうになる大作まで、大小約30点を展示・販売いたします。また作品集や、本展会場で先行入荷されるワンピース、その他の関連商品も紹介・販売いたします。


【ギャラリートーク開催】
2016年10月28日(金)18:30〜19:00 入場無料
作品解説=北澤平祐 聞き手=河西達也(アートディレクター)



北澤平祐 イラストレーター


横浜市生まれ。ロサンゼルスに16年在住した後、帰国してイラストレーターとして活動を始めた。東急プラザ、Marmot、大阪音楽大学の広告、書籍や雑誌、またKenzo Parfumsのパッケージングも手がけるなど、国内外で幅広く活躍中。装画を担当した最近の書籍に、中山七里「どこかでベートーヴェン」(宝島社)、村田沙耶香「タダイマトビラ」(新潮社)、あさのあつこ「I love letter」(文藝春秋)など。2015年、講談社「IN☆POCKET」文庫装幀大賞を受賞。


http://www.hypehopewonderland.com/


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2016.09.17 Saturday

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柴田文子

ポルトガルと教授


2016年10月14日(金)- 26日(水)11:00-19:00


女優やアーティスト、タレントなどを被写体に、広告や写真集、雑誌などを幅広く手がけている柴田文子氏。可視的なものにアプローチしながら、目に見えない空気感で包み込むようにして被写体の生命感を浮き立たせ、見るものが思わず共感し、ときめくような作風で人気を集めています。特殊な技法には拠らず、ナチュラルな光彩、表情、ポージングを大切にする美質と、優美な暖色と鮮やかな寒色の美しさが織りなす躍動感豊かな画面からは、広義のハピネスが世に広がっていくようです。


フリーランスとしてキャリアを歩みだして以降、約10年の間に、女性誌のファッションページやビューティページには欠かせない才能となり、多くの著名人から写真集の共作者として指名される存在に。また、仕事やプライベートで世界各地を旅する機会も多く、街の情景を作品にし続けており、今後の創作活動が期待されているところです。


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写真集「ポルトガルと教授」


本展は、柴田氏にとって約8年ぶりとなる個展です。2015年夏に旅をしたポルトガルでの写真は、同行した女友だちを様々な形で街に絡めるユニークなシリーズに。その他、ウユニ塩湖、ワカチーナ砂漠、ボリビアの街、成都を旅したシリーズも交えて、「彼女が感じた景色」「景色から伝わる彼女自身」を表現しようとする構成になります。人間味溢れるチャーミングな風景写真群は、柴田氏のポートレートやファッション写真の優れた敷衍としても楽しめるでしょう。大小約40点のプリントを展示・販売いたします。また、ポルトガルのシリーズをまとめ初めて自主刊行する同名作品集の他、オリジナルTシャツなどの関連雑貨類を紹介・販売いたします。


【ギャラリートーク開催】
2016年10月14日(金)18:30〜19:00 入場無料
作品解説=柴田文子 聞き手=竹下玲奈(モデル)



柴田文子 フォトグラファー


1977年、福岡市生まれ。九州産業大学芸術学部卒。撮影スタジオ勤務の後、横浪修氏に師事し、2005年よりフリーランスとして独立した。資生堂、花王、JILL by JILLSTUARTなどの広告や女性ファッション誌、女優やタレントなどのポートレートを数多く手がけている。写真を担当したおもな書籍に、松雪泰子「daydream」、竹下玲奈「YES! RENA'S LIFE」、矢野未希子「mikko23」がある。2008年、写真展「いろんな風景」(渋谷・ROOM 1D)を開催。2016年、初の写真集「ポルトガルと教授」を刊行。


http://fumikoshibata.com


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2016.09.08 Thursday

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村田なつか

けもの


2016年9月30日(金)- 10月12日(水)11:00-19:00


村田なつか氏は、おもに森の生き物を題材にファンタジックな水彩画を発表し続けている新鋭です。キツネ、クマ、ウサギやリスなどの、思わず目に焼きつけたくなる佇まいとしぐさを、大自然の情景のなかで可憐な風合いに描写。それらを筆で愛撫するように定着させる彼女の丁寧な技量と、天空から見守るような大きな包容力に、見るものは心地よい温かさを感じることができます。まるで童話本や絵本のワンシーンを思わせるストーリー感覚溢れた構想力は、透明水彩の独特な滲みとマスキング技法とを駆使することで、より洗練された境地に。自然の陰りや発光感まで豊かに表現する余白の巧みな使い方も、まだキャリアの浅い彼女のこの先の進化を期待させるのに十分な魅力といえるでしょう。


動物イラストレーションの王道を承けつつも、ただ可愛らしいだけではなく、最近の個展では鉱石と動物との組み合わせシリーズを試みるなど、グラフィカルでシュールな着想の面白さも垣間見せている村田氏。各所のグループ展では水彩画を多様な形に応用・展開するオリジナル雑貨類も好評で、今後ますます活躍の場を広げていきそうです。


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動物型のオリジナル・ピンズ


本展は、村田氏にとって初めての本格的な個展です。「動物を描く時、筆先の流れから生まれる毛並みが、自然に筆を動かしてくれている感覚がある」という彼女。日々、その筆で撫でている「毛むくじゃら」のモチーフたちへの愛をタイトルに込めました。新作を含め、過去の代表作を中心に大小約40点の作品を展示・販売いたします。また、人気を集めているピンズ、缶バッジをはじめ、Tシャツ、マスキングテープなどの雑貨類も豊富に紹介・販売いたします。


【ギャラリートーク開催】
2016年9月30日(金)18:30〜19:00 入場無料
作品解説=村田なつか 聞き手=谷口広樹(画家、グラフィックデザイナー)



村田なつか イラストレーター


1990年、茨城県生まれ。東京工芸大学芸術学部デザイン学科を卒業後、本格的に創作活動を開始。おもに水彩を使ったイラストレーションと、絵の世界をもとにしたアクセサリーを発表。渋谷・ロゴスギャラリー、Loft各店をはじめ、様々な手創り市やクリエイターイベントなどへも積極的に参加している。過去の個展に「ZOO」(’13年、ARTON Gallery)、「森のなか」(’15年、新宿マルイアネックス FEWMANY)、「鉱石に住む」(’16年、同)がある。’15年、自作ZINE「ほしのふるひ」を発表。


http://natsuka.ciao.jp


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2016.08.24 Wednesday

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網中いづる

ストロール


2016年9月16日(金)- 28日(水)11:00-19:00


水量を多く含んだアクリル絵具を筆で軽やかに混濁させつつ紙へ伸ばしていく、そんな独特のタッチ。少女たちの夢や日常の情景、バレエ、童話のワンシーンなどを美しく描いて高い人気を誇るのが、網中いづる氏です。耳元でささやく声が時に永遠の思い出となるように、淡い色調を明暗巧みに操りながら、ひとつずつの塗りにフェティシズムを宿すような画面は、ノスタルジアを写す鏡となり、見るものの心の襞に染み入って限りなく広がる深い印象を形成していきます。


エディトリアルでは、新装版「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズのほか、林真理子氏や角田光代氏、酒井順子氏らの著書の装画、絵本などを数多く手がけ、日本のイラストレーション界でしっかりと地歩を固めてきました。ファッションとの親和性も高く、アパレルブランドとのコラボレーションも数多く展開しています。


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本展は網中氏にとって、GALLERY SPEAK FORでの約5年ぶりとなる個展です。最近、旅をしたり地方との移動をする機会が増えた彼女にとって、色々な場所で撮った写真から絵のヒントが生まれるといいます。そこで今回は「散歩する、そぞろ歩く」などの意を込めたタイトルのもと、「ゴージャスなバカンスでなく、犬を連れお気に入りの場所を散策するような、のんびりした気分」を伝える新作を中心に構成。その他、仕事で制作した原画なども含め、大小の近作約50点を展示・販売いたします。また、本展のために制作する新作ZINEの他、自身の手で絵付けをした陶器やオリジナルコーヒー缶、ステッカーなどのグッズ類も豊富に紹介・販売いたします。


【ギャラリートーク開催】
2016年9月16日(金)18:30〜19:00 入場無料
作品解説=網中いづる 聞き手=山瀬公子(ファッションデザイナー)



網中いづる イラストレーター


アパレル会社勤務を経て2002年にイラストレーターとして独立。書籍装画や絵本の仕事を中心に、企業広告、ファッションブランドへのデザイン提供など幅広く活動している。最近手がけた書籍装画に「朝からスキャンダル」(酒井順子著)、「奥様はクレイジーフルーツ」(柚木麻子著)、新装版「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズなど。絵を担当した絵本に「あたしときどきお姫さま」(石津ちひろ・文)など。第4回ペーター賞、第38回講談社出版文化賞さしえ賞受賞。TIS会員。


http://www.izuru.net



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2016.08.12 Friday

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矢後直規

MATERIA


2016年9月2日(金)- 14日(水)11:00-19:00


日常的な事物からマクロの経済事象まで、グラフィックデザインが関わり協業できる対象は多様であり、テリトリーは無限大とも言えます。そのスキームの優れた伸張性に着目し、斬新なデザインを送り出し続けているのが矢後氏です。大胆な構想スケールと緻密で美しいクラフツマンシップとを融合させる手腕は、現代アートの文脈にも近接しながら、ファッションブランドやショッピングビルなどの広告制作に活かされ賞賛を受けてきました。


そのデザインワークの一方で、彼は自己作品の創作と展示活動も活発に展開しています。植物由来である紙を森へ帰納させる「PAPER LEAF」シリーズや、生命誕生をテーマに創作ダンスを記録した「birth」シリーズ(写真家・百々新氏との共同制作)など、深いコンセプトを内包したアートワークを、時に優れたコラボレーターたちと息を合わせつつ、意欲的に発表し続けています。


本展は、矢後氏にとって4年ぶりとなる個展です。天然無加工の石に文字をプリントしたプロダクトシリーズ「MATERIA」を初めて本格的に披露します。バウハウス期のチェスに触発されたという彼は、あえて用途のために成型・デザインすることなく、文字だけを石のうえにレイアウトすることを発想。「元々意味を持たない物質を拾い上げては意味を付与してきた」デザインと文明史観をも照射しようと試みます。2つと同じものがない原石をもとにした作品約20点に、写真作品を約10点を加えて展示・販売いたします。購入者の名前をプリントするオーダーメイド品も受注する他、同手法で制作するペーパーウェイト、フォトスタンドやチェスなどのアイテムも多数紹介・販売いたします。


【ギャラリートーク開催】
2016年9月2日(金)18:30〜19:00 入場無料
作品解説=矢後直規 聞き手=平野紗季子(フードエッセイスト)



矢後直規(やごなおのり)アートディレクター / グラフィックデザイナー


1986年、静岡県生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科を卒業後、博報堂勤務を経て2013年より株式会社SIXに所属。ラフォーレ原宿、FINAL HOME on air、TARO HORIUCHIなどの広告やビジュアル、CharaのCDジャケットデザインなどを幅広く手がける。東京ADC賞、D&AD金賞、One Show銅賞、NYADC銅賞ほか受賞多数。オリジナルアートワークでの最近の個展に「PAPER LEAF」(’12年、The 8th Gallery)がある。「デコボコ自由研究」(’16年、渋谷ヒカリエ)、「脳よだれ展」(同年、スパイラルガーデン)などグループ展にも参加。


http://www.naonoriyago.com


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2016.07.18 Monday

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徳永 彩

photogenic!


2016年8月19日(金)- 31日(水)11:00-19:00


事物へある角度の視座を差し伸べる一瞬に、実際には見えなかった情感が掘り起こされて可視化する。そんな写真メディア本来の優れた美質への高い信頼感を、心地よい緊張感にかえて生まれるのが、徳永彩氏の写真作品です。人のライフスタイルの様々なオケージョンとそのディテールを、柔らかい空気感で抱擁するような話法で、かつスナップ写真の柔軟性を損なわずに表現。春夏秋冬の悦びと畏怖、喜怒哀楽の行間などへ彼女が視線を投じる時、見過ごされがちなありふれた光景も、その水面下にありうる仮託されたシナリオのざわめきを纏うように、私小説的な味わいをもってフォーマット化されます。


私的な作品であっても、広告写真や著名人とのセッションであっても、彼女のビジョンと作法は変わらず一貫しており、多くの女性写真家たちが表舞台に次々と登場した90年代のフォトアートシーンにあって、それを曳航する多彩な活躍を見せ、常に明確な個性と品質を保ってクライアントからの信頼を得てきました。


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本展は、徳永氏にとって初めての個展です。「精神の有り様が変わると見えるものが変わり、写真が変わる」。そう考える彼女が、あらためて広義の「フォトジェニック」な物事を探しつつ撮影した、街や静物などをモチーフとした近作は、そのシーンと隣合わせの彼女の人生や自己対話までが独白されているかのような妙味が味わえるはず。自薦の大小約35点のカラープリントを展示・販売いたします。また、ガラスの器やレザーバッグなど彼女の世界観に共鳴するクリエイターたちの立体作品・雑貨類や、オリジナルカレンダーなど関連商品も紹介・販売いたします。


【ギャラリートーク開催】
2016年8月19日(金)18:30〜19:00 入場無料
作品解説=徳永 彩 聞き手=大久保賢一(映画評論家)



徳永 彩(とくながあや)フォトグラファー


東京都生まれ。多摩美術大学卒業後、1996年からフォトグラファーとして活動を開始。「クロワッサン」「GLOW」「大人のおしゃれ手帖」などの雑誌や、「Panasonic」「FANCL」「ワコール」などの広告、CF、パンフレット、web、その他ミュージシャンや女優らのポートレートを多数手がけている。「GREEN」展(2009年、エモンフォトギャラリー)などグループ展にて作品発表。フランス国立図書館、神戸ファッション美術館にプリント収蔵。


http://www.kikiinc.co.jp/


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2016.07.04 Monday

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黒田愛里

この街のこと


2016年8月5日(金)- 17日(水)11:00-19:00


人物の肖像や群像、日常の何気ないシーンをアクリル絵具で丹念に描きとめている、黒田愛里氏。リアルな一場面で受けとめた印象からの着想をもとに、絵筆やペンを緩急自在に使い分け、一遍のショートストーリーに似た物語性を画面ひとつずつに包容するよう仕上げていきます。ユーモラスな空想が躍動感あるディフォルメを生み、きらめくファンタジックな筆致へと翻案され、絵の奥行きを深くしているのです。デッサンや色合わせの既定セオリーから逸脱し、構図の典型や遠近法にもとらわれない自由な調和感が新鮮な外し技となって、彼女自身の振幅豊かな感受性がゆっくりと見るものの心象へ浸透していくさまは、クロード・ドビュッシーの印象派音楽にも近い酩酊体験のようです。


2014年から個展での作品発表を本格的に開始した彼女。各種のグループ展でも強い存在感を放っていますが、一方で雑誌やPR誌などの装画を中心に、アパレルブランドやショッピングビルのためのイラストレーションなども多数手がけ、衣服や雑貨類などにその絵が展開される中で、多くの女性ファンを獲得。平面から立体、インタラクティブへと、イラストの新地平をさらに拡張する気鋭の若手として期待の視線を集めています。


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一点ものオリジナルブローチ


本展は、黒田氏にとって2年ぶりの個展です。今春に旅をしたブダペストの街での体験から生まれた絵を中心に、東京での生活と心象に発する作品、コラボレーションで生まれた絵などを組み合わせ、「街」で感じたことを主題とした構成に。新作を含め大小の原画約40点を展示・販売いたします。また、本展のために制作する作品集、Tシャツのほか、各所で好評を博している絵入り小瓶、置き小物の新作も紹介・販売いたします。


【ギャラリートーク開催】
2016年8月5日(金)18:30〜19:00 入場無料
作品解説=黒田愛里 聞き手=網中いづる(イラストレーター)



黒田愛里(くろだあいり)イラストレーター


1989年、東京生まれ。2013年、東京工芸大学芸術学部の卒業制作展でデザイン学科賞を受賞し注目を集めた。同大卒業後、イラストレーターとして活動を開始。第10回TIS公募で入選、第11回TIS公募で審査員賞(北見隆氏の一枚)を受賞し、2014年よりTIS会員に。「イラストノート」誌の表紙を手がけるなど雑誌や広告で幅広く活躍中。海外アパレルブランドとのコラボレーションも。近年の個展に「日常めがね」(’14年、GALLERY SPEAK FOR)がある。「CAT POWER 2015」(ギャラリールモンド)などグループ展にも多数参加。


http://www.kurodaairi.com/


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2016.06.20 Monday

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茂本ヒデキチ

Shadow & Shade


2016年7月22日(金)- 8月3日(水)11:00-19:00


和紙の上へ墨汁を走らせるように描く、茂本ヒデキチ氏。毛筆の特長を十二分に活かしながら、墨色の濃淡を織りまぜて美しく、時に紙へ殴りかかるように激しく、また墨の滴下も点描画のような味わいとして援用し、大胆かつ繊細に仕上げられるユニークな画法で知られています。アスリートやダンサー、侍、カーレースなど、しばしばモチーフの「動き」が絵の主題に。それらの輪郭は明瞭でなく、流れるようなその筆致に溶け落ちていますが、茂本氏の眼で捉えられた人のパッション、モノのエネルギーは、彼の体躯と腕のストロークに乗り移り、紙にアウトプットされて見るものの五感へ強烈な印象を残します。


和の画材から生まれる彼の劇画的書画の世界は非常に個性的で、90年代から雑誌やテレビ番組を通じて認められるようになりました。その後のクールジャパン発信の先鞭をつけたニューヨークでの個展、NIKEとのコラボレーションや、オリンピック開催ごとに招聘されているライブペイントとパフォーマンスなど、常に日本のアートシーンの殻を大きく抜け出る活躍で話題を振りまいてきたのです。


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"漂う街"


本展は、茂本氏にとって3年ぶりとなる東京での個展です。墨によって陰影の複雑な深みと実相とをカクテルしてきた、自作の美質を表徴するタイトルに。リオデジャネイロオリンピックの熱い季節の足音を聞きながら、これまでの彼の代表作を改めてセルフカバーするように描き下ろしたという、大小約50点の絵を展示・販売いたします。また、今回のために絵付けをして焼き上げた陶器の器や、ブックカバー、Tシャツ、iPhoneケースなどの雑貨類も多数紹介・販売いたします。


【ギャラリートーク開催】
2016年7月22日(金)18:30〜19:00 入場無料
作品解説=茂本ヒデキチ 聞き手=久保田利伸(ミュージシャン)



茂本ヒデキチ 墨絵イラストレーター


1957年、愛媛県生まれ。大阪芸術大学デザイン科を卒業後、デザイナーを経てイラストレーターとして活動を開始。’91年〜’93年まで「MUSIC MAGAZINE」誌の表紙を担当し、個性的な画風が注目を集める。以後、広告、TV-CF、ポスターやCDジャケット、雑誌、書籍装画などで幅広く活躍。FIFAワールドカップパブリックビューイングポスターを手がけ、北京五輪・ロンドン五輪会場にてライブペイントを披露するなど、国内外のスポーツイベントへの招聘機会も多い。著書に「NEO BLACK」(早川書房)がある。


http://www.hidekichi.com/


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2016.06.10 Friday

過去の展示


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マーカス・クリンコ

David Bowie Unseen


2016年7月8日(金)- 20日(水)11:00-19:00


ビヨンセやレディー・ガガ、ジェニファー・ロペス、ブリトニー・スピアーズなど、時代を彩るアーティスト、ファッション・アイコンたちの洗練されたビジュアルイメージづくりを手がけてきた、マーカス・クリンコ氏。国際的なハープ奏者としての活躍の後にフォトグラファーへ転向したという異色のキャリアですが、名スタイリストのイザベラ・ブロウ、元「インタビュー」誌のイングリッド・シシーらに重用され、セレブリティ・ポートレートの第一人者のひとりとして注目されるようになりました。


なかでも、デヴィッド・ボウイとイマン夫妻との親交は特別で、アートブック「I am Iman」(2001年)のための撮影を依頼された後、ボウイの25枚目のアルバム「Heathen」(2002年)のジャケット写真も手がけ、「20世紀で最も影響力のあるアーティスト」と言われた男の、結果的に生涯最後となったワールドツアーをビジュアル面からサポート。その後も互いに敬意を持ちながらコラボレーションを続けてきました。


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"Heathen"


本展は、2016年1月のボウイの死を受けてクリンコ氏によって発起され、マイアミを皮切りに、バーゼル、ハリウッド、パリなど世界中を巡回している同名展を東京でも開催するものです。「Heathen」リリース前後に撮られた未公開のポートレートを中心に構成。洋の東西や時代を超えた深いイマジネーションを音楽と視覚で具現化し続けたボウイのオーラを余すところなく伝える、ドラマティックで優美な作品ばかりです。当時のフィルムをスキャンし、富士フイルムの細密なクリスタルプリントで作品化した約20点を展示し、会期中のみ限定にて販売いたします。また、デスクトップ用のミニプリントも合わせて販売いたします。


【ギャラリートーク開催】
2016年7月8日(金)18:30〜19:00 入場無料
作品解説=マーカス・クリンコ



マーカス・クリンコ(Markus Klinko)フォトグラファー / ディレクター


スイス生まれ。クラシックハープ奏者としての国際的な活動の後、手の負傷をきっかけに1996年、ファッション・フォトグラファーへ転向した。「Vogue」「Vanity Fair」「GQ」などで活躍。2002年にデヴィッド・ボウイのアルバム「Heathen」のジャケット撮影を手がける。その他、ビヨンセ、レディー・ガガ、ブリトニー・スピアーズなど数多くのセレブリティたちを撮影している。ナショナル・ポートレート・ギャラリー(米・ワシントンDC)や、オペラギャラリー(モナコ)などにプリント収蔵。


http://markusklinko.format.com/markus_klinko_bowie


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