2015.11.16 Monday
過去の展示
谷川千佳
約束
2015年12月11日(金)- 26日(土)11:00-19:00
優美な輪郭曲線で描かれる、きゃしゃな佇まいの女の子。それらと異質なモチーフとの絶妙なフュージョンで構成されるのが谷川千佳氏の絵の最も特徴的な美質です。絵のなかの女性たちの、宙を舞うような視線と、そこから発信される幻想的なビジョン。オーソドックスな日本の少女画の流れに根ざしつつ、現在に生きる彼女自身のアイデンティティとその移ろいをぼんやりと、しかし明瞭な像を結びながら声なき声として伝えてくる、そんなオーラ溢れる構想力が見るものの心を包み込みます。
柔らかいタッチのアクリルガッシュは、時に透き通りそうなほど淡いパステルトーンで、また時には宇宙の漆黒を思わせる濃厚さで緩急自在に展開されており、最近ではあえて、よりグラフィカルでイラストレーション的なドローイング表現へも振り幅を広げてきました。主要なアートフェアやグループ展などにおいて高く評価される一方、本の装画やCDカバーなどのコミッションワークも積極的に手がけています。今、もっともスリリングな進展が注視されている作家のひとりと言えるでしょう。
"星の声"
本展は、大阪で2015年8月に開かれた彼女の同名展を受けて企画されたもの。未来を見つめる言葉として「約束」をとらえ、「現実を受けとめつつ、その哀しさと向き合いながら、それでもその先を向いて強くあることを願い続けたい」という谷川氏自身の思いが込められています。大阪展以降に新しく描かれた新作を中心に構成。アクリル画とドローイングシリーズも合わせ、50点あまりを展示・販売いたします。また、新作画集の他、トートバッグやマグカップなどのオリジナルアイテムも紹介・販売いたします。
【ギャラリートーク開催】
2015年12月11日(金)18:30〜19:00 入場無料
作品解説=谷川千佳 聞き手=坂野公一(グラフィックデザイナー)
谷川千佳(たにかわちか)アーティスト / イラストレーター
1986年、富山県生まれ。2010年、神戸大学発達科学部を卒業後、デザイン系専門学校勤務を経て、フリーランスのアーティスト / イラストレーターとして活動を開始した。国内外で作品を発表し続けるほか、三津田信三「どこの家にも怖いものはいる」(中央公論新社)、乾ルカ「奇縁七景」(光文社)の装画を担当するなど、幅広く活躍中。最近の主な個展に「光の記憶」('14年、GALLERY SPEAK FOR)、「約束」('15年、大阪・ondo)がある。画集「ゆめにさまよう」('14年)、「約束」('15年)を発表。