ARTIST OF THE MONTH

2017.09.30 Saturday


ARTIST OF THE MONTH

10月のアーティスト│谷川千佳 




2017年10月のアーティストは、アーティスト / イラストレーターの、谷川千佳氏です。GALLERY SPEAK FORでは「光の記憶」展(2014年)と「約束」展(2015年)が好評だった彼女。所在なげで、物憂い表情をたたえた少女たちのポートレートを主軸に作品を数多く発表し続けています。細い手足や、優美な曲線の長い髪など、伝統的でファンタジックな少女画の美質を備えつつ、宙を漂うような絵の主人公の視線から彼女自身の空想力の深さに息をのみ、さらにはこちらの深層心理までを覗き見られるような、かすかな狂気を感じる瞬間も。そのフィアーな印象を濃厚に放つアクリル画の魅力は、三津田信三氏のミステリー単行本「どこの家にも怖いものはいる」「わざと忌み家を建てて棲む」の装画でも存分に味わうことができます。


2013年頃からは、より透き通るように、かそけきニュアンスを放つ淡いパステルトーンの色彩感をもった少女画も制作し始めました。記憶や夢など、無形のイメージで自画像のような少女のポートレートをふんわりと包みつつ、直線的な図形、無機質な線、漆黒の闇のイメージなど、多重的コラージュのような画面構成の妙も楽しめる絵のラインを数多く発表し始めました。さらに風景との組み合わせで、絵本やコミックのワンシーンのような作画、マンガ作品まで試みるなど、毎シーズンごとに新鮮な着想力を見せてくれます。


2014年からアーティストとして独立し、制作と発表、販売を力強く続けている谷川氏。日本各地での個展開催やグループ展参加も精力的に続けており、また海外のアートフェア、グループ展にも多数参加しています。少女画の、特にセーラームーン世代と言われるアーティスト、イラストレーターが多数、厚い層をなしている中にあって、2D絵画の美と、自分自身にしかできない構成の深みを真摯に希求し続け、どのような機会であっても「流す」ことをしない態度は、各地のギャラリー、ショップで高く評価されています。ライブステージの装飾の絵、テキスタイルの図柄制作なども手がけるなど、活動の幅も年々広がってきています。大阪で今月開催される最新個展「名前はいらない」(2017年10月6日〜26日、大阪・DMOARTS)では、彼女の絵の最新バージョンとその周辺が全て提示される予定。


さらに大きなブレークポイントが間近に迫っていると評価し、GALLERY SPEAK FORでは「ARTIST OF THE MONTH」として選定しました。GALLERY SPEAK FORで展示歴のある作品を中心に、人気作の中から比較的こぶりなサイズの木パネル貼り作品をピックアップして当サイトにて紹介・販売いたします。



谷川千佳(たにかわちか)
アーティスト / イラストレーター


夢や記憶を、多層的なコラージュ感覚のなかで表現。
本の装画やテキスタイルまで、活動の幅と質に高い評価。


1986年、富山県生まれ。2010年、神戸大学発達科学部を卒業後、デザイン系専門学校勤務を経て、フリーランスのアーティスト / イラストレーターとして活動を開始した。国内外で作品を発表し続けるほか、三津田信三「どこの家にも怖いものはいる」(中央公論新社)、乾ルカ「奇縁七景」(光文社)の装画を担当するなど、幅広く活躍中。短編漫画の制作や、音楽アルバムのジャケット、ライブステージ装飾のイラスト、テキスタイルの図案提供なども。最近の主な個展に「咲く空」('16年、名古屋・スペースプリズム)「あかいひかりは呼吸する」('17年、ブックギャラリーポポタム)、「瞬き」(同年、大阪・ondo)がある。


http://www.chikatanikawa.com


谷川千佳さんの作品一覧は、こちら
http://www.galleryspeakfor.com/?mode=grp&gid=1692001&sort=n


「タグボート」でも作品が購入できます。
http://ec.tagboat.com/jp/products/list.php?author_id=100105&tngs_flg=0





谷川千佳 個展「名前はいらない」


アクリルを用いたペインティング作品(関西では未発表。2017年制作のもの)から約15点を展示・販売する。会期にあわせ新作品集も発売予定。その他、オリジナルトートバッグやTシャツなども販売される。会期中の週末には、ドローイングイベントなども。

会期 : 2017年10月6日(金)- 26日(木)会期中無休 
10:00-21:00(最終日のみ18時まで)
レセプションパーティ 10月6日(金)18:00 - 21:00
会場 : DMOARTS
〒530-8558 大阪市北区梅田3-1-3 LUCUA 1100 7F

<谷川千佳氏のステイトメントより>
名付けられない曖昧な存在や記憶に、日々絵を通して向き合っている。
言葉にできない感情や空気をかたちにしようとすればするほど、
それは目覚めかけの夢のように、イメージは遠く薄れて行き、どこまでも掴みきれない。
そんな曖昧な世界を、純粋に描くと言う行為に改めて向き合い、曖昧なまま受け止めたいと思った。
それらは全て、自身が“今”描かなければいけないと思う切実な風景です。